筆で彩色する様子
筆で彩色する様子
師事する方もいなければ 作品自体をあまり見たこともないし、工夫の仕方すらわからなかったのです。
そして単純に点描することが慣れてきた頃、シンプルな技法ゆえの難しさを実感しました。点の大きさ・色・密度・精度が違うとまるで別の印象になってしまうのです。これに気づくまで思った通りに描けず、苛立つこともしばしば。参考書もなければ作品例も少なく、専用の道具があるわけでもない。
それでも一枚、また一枚、と描くごとに奇妙な達成感がありました。自分でも不思議なほど、完成の喜びと好奇心で続けることができたのです。
点描画の歴史においては、なぜか至極単純な手法なのに印象派以来あまり研究されていない、ということに気付きました。やはり時間がかかるということが続かない理由になるのでしょう。
近年は点描が自分の表現の一部としてすっかり同化
し、点描をより生かすための追求に至りました。
点を描いていると、まるでモチーフの細胞一つ一つをキャンバスの上にのせているような感覚があります。普段は意識しない美の根源にも気付かされました。
たとえば、花びらの表面の微細なきらめきであるとか、一色にみえるようで多彩な色が混在する紅葉であるとか、色彩豊かにキラキラ反射する水面だとか。そういった意識しない部分も含めて表現したいし、点描ならば可能となります。
点描とは、よりリアルで幻想的な世界を織りなす
最適な画法なのかもしれません。
2010年 1月 花 岡 沙 織
点描とは、絵画の技法の一種で、点の粒の集合によって絵を構成していく作画法です。点画・点描法・ドットペイントなどともいいます。
歴代画家としてはフランスのジョルジュ・スーラ(1859-1891)が代表的であり、1880年代に印象派(新印象主義)の画家たちによって確立された手法とされています。視覚上で色を混ぜ合わせる効果から、混色による濁りを回避し 明るく鮮明な色使いが特徴的です。
しかし、大変に手間がかかることから、印象派より後は点描で創作する画家は少数です。
わたしの場合、はじめのうちは歴代画家のたちの手法など知ろうともせず、ただの面白みで追求しておりました。『点描画』の存在は以前から知っておりましたが、自己探求により固まってきた我流による点描です。初期は単純な点描行程だったものが、次第にアート性を求めるようになり、今ではアートとして作品を創るよろこびを感じております。
点で描くようになったきっかけは「点描画」を描き
たいからというよりも、むしろ未知で美しいものを描いてみたいという好奇心からでした。
昨今はデジタルや新素材など多種多様なジャンルの手法があります。自ずと創造者は星の数ですから、多少の工夫では〝どこかで見たかも〟になりがちです。
ところが点描画は違いました。
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点描画について